GorillaWave!

KleheやTAMTAM、WUJA BIN BINなどで演奏するトランペット奏者の堀京太郎によるソロ・プロジェクトGorillaWave!、その1作目が本作『ECHOES』だ。音の触覚性や内省的な管楽器の旋律、即興を基調としたそのサウンドは、Jon HassellやTerje Isungsetなどを想起させる。ジャズからアンビエント 、音から音楽へのグラデーションが作品全体を包み込んでいる。
 M1「Buntaro」、M2「Ants in a Line」では、トランペットを尺八のような響きで鳴らし、その音色と絡み合うように弦楽器や氷の音が収録されている。一方M3「Ame」は楽器を使用せずエレクトロのみで構成、エレクトロニクスにおける触覚性を表現した作品。パーカッションとトランペットによる反復が印象的なM4「IcI」では、フレーズが繰り返されるたびに新たなレイヤーが加わり、徐々に音が飽和していく。その余韻とクロスフェードして流れるM5「IkI」は、クラリネットの息づかいに着目したアンビエント曲だ。
 本作は、実験的な作風だが耳に馴染み良いフレーズと音色が印象的でもあり、旋律と質感に身を任せて楽しめる作品となっている。

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