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2016年に東京都立川でBassのMitchを中心に結成したオルタナティブロックバンド・sunsetinfall、FRIENDSHIP.から初となる作品「Mother / Fingernails」をリリースする。 未来への不安定なイメージや過去を引きずり続けるのではなく今此処を駆け抜けていく感覚を大切にしていきたいという想いが込められた今作。 今作のリードトラックでもあるM1「Mother」から始まる。 少しダークな雰囲気のイントロ、m.c.n(Vo.)の気怠そうで無気力感すらも覚えるようなボーカルが、不安定で鬱屈とした日常に取り残された自分を描き、バンドサウンドは徐々にそのスピードを上げていく。 sunsetinfallを印象付けるシンガロング要素たっぷりなサビ、ハードコアやオルタナティブロックをベースとした抒情的で激しさを内包するサウンドと繊細で美しくも儚いサウンドとが入り乱れることで、その感情の不安定さ、将来への不安や焦燥が生々しく描かれ、歌詞の世界を一層深いものへと昇華していく。 たった一度しかない人生において、自身の足を引っ張るものを切り離し、着実に、そして自分にしか歩めない人生というストーリーを作っていこうとする逞しさすらも感じられる。 現在の彼らのモードにおいて横に並ぶバンドが存在しないと感じるほどに孤高で唯一無二の存在感を放っている。 続くM2「Fingarnails」ではsunsetinfallらしさはそのままに、グランジのような危なっかしさが重なることで、さらに彼らのバンドとしての美学が強く現れたような仕上がりとなっている。 非常に内省的な歌詞の世界が聴き手の抱える心の闇に寄り添ってくれるような、人としの温かさすらも感じられるようである。 日頃から様々なことに気持ちをすり減らして生きているからこそ書けるセンテンスの数々が、聴き手の心奥底の傷を癒してくれるそんな作品に仕上がっている。